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いくみの創作部屋

お話のエッセンスをお楽しみくださいませ♪

39.  よい子ばかりじゃつまらない   at 2003 01/18

「ねぇエリ、聞いてる?」
と呼ばれたのにやっと気づく。
暖かな陽気に包まれた昼下がり。
窓の外を見てたはずなのに、いつのまにか考えにふけっていた。

「この前さぁ、コンビニの前で会ったよね。」
私はゆっくり肯いた。
「なんだか急いでいたようだから声かけなかったけど、気になっちゃって…」
確かあれは…。


「エリ、お使い頼まれてくれない。」
「どうしたのお母さん。」
「今日お客様が来るの知っているでしょ。足りないものがあるの。」
と買い物メモをもらって大急ぎで出掛けたんだ。
いつもなら、耀に声掛けてるところだけど。
あの日は、挨拶もしなかったっけ。


「耀、ごめんね。急いでたんだ、母に頼まれて。」
「それならいいのよ。でも今日もぼんやりしてるみたいだし、大丈夫なの?」
「ちょっと寝不足。夕べなかなか眠れなかったから。」
「悩みなら、打ち明けるべし。」
「最近このままでイイのかなって。」

「エリっていつもイイ子なんだな。誰に頼まれてもイヤって言えないタイプだものね。」
そうかもなぁ〜、ん確かに。
「少しでもいいから、自己主張したほうがいいよ。それってきっとストレスって言うのだと思うよ。」
でもなぁ〜、どうすればいいの。
「やだぁ、また私一人で喋り捲ってるよ。じゃ、またね。」
「耀、ありがとう。またね。」

心にぽっつり空いた穴、しじまのように拡がる。
自分のいる空間に取り残されそうになっているのかな。
不安な時、耀が居てくれるとホッとする。
言いたいことばかり言ってるけど、私のこと気遣ってくれる、優しい友だち。
私も耀のようになれるのかなぁ。

 ※ 今日のインスピは、
   ちと方向が曖昧になりそうなので、
   ここいらで、失礼いたします。
   では、またです。m(__)mペコリっ
40.  モザイク・・   at 2003 01/20

パーツを合わせてくパズル
形がピッタリくるっていい感じ

でも…モザイクはちと違う
いろんな形のまま並べられてく

近くで見たら不細工で
遠くで見たら絵になって

なんて不思議な形だろう
41. 草原の王国。  at 2003 02/15

駆け抜ける・・
走馬灯のように・・
使い古された言葉だけれど
これ以上にピタリと当てはまる言葉を
俺は知らない。

誰も信じないだろうが、
かつて、
ここは美しい草原だった。

俺は、
あてもなく歩いていた。
家を出たばかりだった。
何処からともなく聴こえた。
美しい調べに足を止めた。
こんな建物すら見当たらない場所で。

そこには、あった。
俺はいつの間にか、
その調べに引き寄せられていった。
小さな湖のほとり。
竪琴を弾く者があった。

その者は、
俺の気配に気づかぬようだ。
誰かに語りかけるように
弾き続ける。

なんて美しい髪の長い女なのだろう。
ふと、想った。
その女は、
何も見ていないようであった。
指先は休むことなく動き続けた。

俺はまだ行く当てもなかったから、
腰をおろして
その美しい調べに耳を傾けた。

・・・

いつの間にか、眠っていたらしい。
先程の女が、
俺の傍にいた。
42. 仮面  at 2003 03/02

1..

平凡な私
無表情な顔

嬉しい時には、嬉しい顔をし
悲しい時には、泣き
苦しい時には、苦しいと言い
寂しい時には、・・

そんなことが表現できない
仮面


2..

表情ブスだと気づいたのは、つい最近のことだ。
それまでは、ごくフツーに感じていた、感覚だった。
自分では、わからなかった。

そして、もうひとつ。
もろい自分が居ることに。
周りに影響されやすい自分。
強い、と想っていたのは、違っていたのだ。

「ガラスの仮面」を身にまとったままでは、世間の風はきつすぎる。
43. * 雛祭り *  at 2003 03/03

ねぇ、ママ
あのお人形さん、なんで箱に入ってないの?

ト)デパートの段飾りの美しいお雛様にうっとりしながら

触ってきていい?

ト)段飾りに近づこうとする、止められる

どうして、ダメなの?
あれ欲しいなぁ…

ト)ママの困った顔をよそに、続ける

今日は、ひなまつりでしょ。
アヤも女の子だもん。
おじいちゃんに貰ったのもいいけど、
とても綺麗だよ。


  ※ 一人芝居風にしたかったけど
    ト書きに慣れてないので、失敗かも?
44. 予感・・  at 2003 03/23

微かな匂いに
ふと立ち止まる

耳をすませば
聴こえる風の音

物語は 始まる
そんな予感がした…
45. ことばあそび  at 2003 03/30

カラッポだ・・
漢字で書くと・・空(カラ)
でも空(クウ)は一杯だと中国ではいふらしい・・
頭の上の空(ソラ)には、お星さま・・キラリっ♪

何もない・・んだけど。
ことばあそび・・
46. いたずらっ子・・  at 2003 04/13

「ごめん」
「ありがとう」

何処から来たの?

「今度こそ」
「うれしいよ」

また会おうね^^


ほんとは照れ隠しのいたずら
一緒に あ・そ・ぼ
47. 青また青1 ・・ 空 ・・  at 2003 05/02

ぽっかり浮かんだ雲は、いろんな形に見える。
象だったり、亀だったり、熊だったり、兎だったり、鳥だったり、…ソフトクリームだったり…。
私は、ボォ〜っと空をみていた。

「ねぇ、あそこにいるお姉ちゃん何してるの、ママ?」
声が聴こえた方に目をやると、
幼稚園くらいの子が、指を指してた。
母親らしき人が、慌てて子供をひっぱっていった。
ふ〜ん…。

「現実に戻られましたか、姫?」
えっ、何? 隣から声がした。
「和臣くん!!」
彼は急に笑い出した。いつものように暫く止まりそうも無い。
黙っていると好少年なのに、笑い上戸なの。

横川の堤防の土手に横たわったまま、空を見上げている私。
彼は、その横に腰を下ろしている。
「オレが側に来ていても気づかないんだからなぁ、姫は…」
何か言ったの、と彼を見る。
「姫らしくて良い…好きだよ。」

今日の空は、青く澄んで、綺麗だなぁ…。
48. 哀しみ  at 2003 06/18

おまえ少しは笑いな、と言われても
急には戻れやしない

今日始まった訳じゃないのさ
いろいろあったんだ昔は
そんなことは、心の奥にしまっておくよ

今は、ここが私の居場所だから…


※ 哀しみというタイトルの和風絵をみて作りました。
  できれば、哀しみが癒されますように
49. もの想う…  at 2003 06/18
いつもと変わらない昼下がり
電話がなった・・
「お久しぶり…」
で始まった会話

なんだかとても懐かしい友
しばらく会ってないなんて嘘みたいね

時は止まらないけれど
過ぎし日を想う…


※ 「もの想う少女…」というタイトルの絵をみて作りました。
50. 星降る時・・  at 2003 07/10

「都会に空はない」
きみは言った

「どうして?」
とぼくは問い掛ける

「だって星が見えないんですもの
 夜が眩しすぎて何も見えないのよ
 ほんとよ」

自然の多い地方できみは育ったという
水の澄んだ
空気が美味しい
とさえきみは言う

ぼくには分からない
この地を離れたことは一度もない

「一度見せたいな」
ぼくに目配せしながらきみは言う


そんな会話も忘れてしまっていたある日
ぼくらは出掛けることになった

きみの故郷は都心からそう離れていないのに
野原や小高い山
鳥のさえずり
爽やかなところ
きみの言ってたことが手にとるように分かる

日が落ちて
しばらくは、きみの家
夜も更けようという頃
きみはぼくを連れ出した

雑木林を抜けると
そこには空しかなかった
地上にいるとは想えないくらい
星が煌いていた

流れ星が飛んだ・・
51. インスピレーション  at 2003 08/25

私は、いつも行き当たりばったり
だから、計画するのは苦手なの

悩んでも始まらないじゃない
いろんなことが起きるんだから
楽天家と呼ばれるくらい自由に生きよう

いつだって、ケセラセラ
なるように、なる

私は、いつも気取らない
あるがままの私
52. 囁き・・ (朝のひとコマ)  at 2003 09/03

「ゆみちゃん」
優しく囁くような声。
いつもいつも、私を呼んでいるのは、誰?

「お姉ちゃん、早く起きなさい」
まだ眠いよぉ〜
なぁんだ、また夢か。
近頃、同じ夢ばかりみちゃう、どうしてかな?

「ゆみ、聴こえてるの?」
ボォーとしてる場合じゃない、学校学校、支度支度…
やだ、寝過ごしてる!!

「ほら、溢してるよ」
お母さん、わかってるけど、遅れちゃうよぉ〜
朝ご飯パスって言ったのに・・
食べてかなきゃ、お弁当なしだって脅すんだもの。
やんなっちゃうよ。

「いってらっしゃ〜い」
時間時間・・
猛ダッシュで行くっきゃない。
走るぞ!!
53. 園  at 2003 09/18

今日も来てしまった
後悔というものではなく、喜んでいる
ココに来る、いや来れることを

何か特別なことが、あるわけでもない
この繁る緑の中、ベンチに佇む
・・やすらぎなのだ・・

私の住む惑星は、
ずいぶん前に自然と呼べるモノを失ってしまった
荒廃した大地には、
人の住めるポイントは減り
草木一本生えてはいなかった

私は、夢見る
古書にだけ存在する木々の姿、動物たちの姿
科学者とは名ばかりで、
人口数人の惑星では、役に立たない

突然変異が起こったのは、数年前
ココに何かが芽吹いた
あの時に紐解いて知った
双葉を発見したのだ

私は毎日通う、この場所へ
そして夢見る安らかな時

私は、空になる、風に乗る、木々を渡る
最後の時まで…
54. ごろにゃん  at 2003 09/24

ボクは、気まぐれ子猫
野原を渡る風に乗って、駆け回る

きのう、
女の子がボクのこと可愛いって寄ってきた
長いしっぽを振ってると、
すりすりしてきた
そんでもって、
ぎゅっと抱きしめられた
女の子って、意外と力持ちなんだ
どーしても自由に動けなくて、
体の力抜いちゃった

その前の日、
迷子の男の子
ママ、ママ、と泣いている
ボクはじっとその子を見てた、じっと…
やっと気づいて、ボクに話し掛けてきた
結局、ママが好きなんだね
そのうち、お迎えが来たよ、
よかったね

ボクの野原は、サイコーだよ
ねこじゃらし揺れて
いろんな人がやって来る
55. ごめん・・  at 2003 10/10

「ごめん」の言葉が重くのしかかる。
そんなはずじゃなかったのに、
俺は彼女を傷つけた。
頬に、涙を伝わせた彼女。
二の句が告げない俺。

-- * --

「ごめん、ごめん」
軽くいうヤツ。
遅くれて来たのに、そんなもんか。
お前らしいよな〜。
黙って待ってるオレも、いい勝負か。

-- * --

「ごめんなさい」
満員電車の真ん中で、足を踏まれた。
すぐさま、可愛い声で言われると、
カンカンに怒る感じじゃない。
お互い初対面だけど、この距離は…
リアルにドキドキを生むものらしい。
56. ありがとう  at 2003 10/29

「ありがとう」
その声の主は、瞳の美しい娘だった。
決して、煌びやかな出で立ちではなく、
振る舞いの、なんと心地よいことか。
私は、用事も忘れて、立ち止まってしまった。

不景気な情勢の地にあって
人々の表情もどことなく沈みがちだというのに。
彼女を見掛けたおかげで
これからの仕事が上手くいきそうだ。

こころの中で、こちらこそ
「ありがとう」
と言ってみた、
微笑みの美しい娘さん・・・へ。
2003年1-10月
39.よい子ばかりじゃつまらない
40.モザイク・・
41.草原の王国。
42.仮面
43.* 雛祭り *
44.予感・・
45.ことばあそび
46.いたずらっ子・・
47.青また青1 ・・ 空 ・・
48.哀しみ
49.もの想う…
50.星降る時・・
51.インスピレーション
52.囁き・・ (朝のひとコマ)
53.園
54.ごろにゃん
55.ごめん・・
56.ありがとう
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